ブランドとは
体験である

カテゴリー

コラム · ブランド体験(BX)

日付

2026. 07

執筆

キム・チェウ — CHAEWOODA Director

言語

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ロゴはブランドの1%にすぎない

多くの企業がブランディングを「ロゴをつくること」だと考えています。しかし顧客がロゴを見る時間は一日に数秒、ブランドを体験する時間はその何百倍にもなります。ウェブサイトをスクロールする指先、名刺を受け取った瞬間の手触り、問診票の文章、SNSフィードのトーン、開店直後の店内の匂いまで — こうした接点すべての総和がブランド体験(Brand Experience, BX)です。ロゴはその体験を束ねる結び目であって、ブランドそのものではありません。

私たちが自らを「BXスタジオ」と呼ぶ理由がここにあります。ロゴで止まらず、顧客がブランドと出会うすべての接点を設計する。その過程で守ってきた4つの原則を整理しました。

原則1 — ブランドは「接点の総和」である

頭皮ケアクリニック Scalp Design Center のブランディングでは、ロゴとCIで手を止めませんでした。顧客が触れるすべての書類 — カウンセリング・同意書、修了証、名刺、パンフレット — を一つのシステムとして設計し、ウェブサイトと予約動線、SNSのフィード戦略、さらには製品パッケージまで同じ言語で整えました。結果として、1つのセンターが33店舗のフランチャイズへ拡大する過程でもブランドは薄まりませんでした。優れたBXは「どこに触れても同じブランド」という感覚から生まれます。

原則2 — 信頼をつくるのは第一印象ではなく「一貫性」

顧客はブランドを一度で判断しません。広告で受けた印象、ウェブサイトで感じたトーン、実際の接客での体験が一致したときにはじめて信頼が積み上がります。接点ごとにトーンが違えば — ウェブは別、SNSは別、店舗は別 — 顧客は無意識に「整っていない会社」と読み取ります。とりわけ税務・コンサルティング・医療のように信頼そのものが商品である業種では、名刺一枚の完成度が契約を左右します。

原則3 — 語らず、「感じさせる」

もっとも強いブランド体験は、説明ではなく感覚で伝わります。環境プラント施工会社エンコテック建設のウェブサイトを制作したとき、私たちは「環境にやさしい」という言葉を並べる代わりに、森・作物・自然光といった緑のビジュアルの上にロゴを重ねました。訪問者が最初の画面で「この会社が扱っているのは、つまり環境なのだ」と直接感じられるようにしたのです。ブランドの価値は字幕のように貼りつけるのではなく、体験の中に溶かし込んでこそ長く残ります。

原則4 — 体験は画面の中で終わらない

デジタルの時代でも、ブランドは依然として手に触れるもので完成します。アセットマネジメントやコンサルティング企業のブランドは、契約や商談の瞬間 — 大理石の上に置かれた名刺とレターヘッド、封蝋で閉じられた封筒 — で決まります。パッケージ、ステーショナリー、空間、接客マニュアルまで設計してはじめて、ブランド体験は一周します。オンラインだけが美しいブランドは、半分しかできていません。

BXは部署ではなく「視点」である

ブランド体験を上手に設計している企業とは、デザイン・マーケティング・カスタマーサービスが同じブランドを語るように視点を揃えた企業です。接点が複数の部署に散らばっていても、顧客はそれを一つのブランドとして体験するからです。だからBX設計の出発点は、美しい画面ではなく「私たちのブランドはどんな体験を約束するのか」という一文です。その一文が決まれば、残りの接点はそれを守るための道具になります。

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